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アジアンタムブルー (角川文庫)

大崎善生さんの作品パイロットフィッシュの続編?

前作同様といいますか、全体的に切ない物語でした。

恋人であるカメラマンの葉子の個性がこの物語の色を決めているようです。

題名にもあるアジアンタムとは観葉植物の名前で葉の色がとても綺麗です。

題名どおりの色のイメージですが、実際にアジアンタムを観たことのない自分としては、

とても悲しいイメージになってしまいました。

物語は現在と過去を行ったり来たりですが、はっきりと分けて描かれていて解り易い。

途中に登場する人物達もまたいいキャラしてます。

個人的には物語終盤に出てくる山根というお医者が好感度MAXでした。

ぜひとも二回、三回と読みたいのですが、読み終わった後の喪失感が中々のものなので、

読み返すのはもう少し時間を置いてからにしたいと思います。

それくらい切なくて、でも読み応えのある一冊でした。

パイロットフィッシュ (角川文庫)

評価:
大崎 善生
コメント:読んだ後の何とも言えない喪失感が…切ないです。

19歳の山崎と由希子の3年の付き合いを経て、

19年後、41歳の山崎はエロ雑誌の編集長になり編集作業に忙しく過ごし、

部屋に飼う二匹の可愛い子犬のクーとモモを新しい恋人の七海と可愛がる日々。

ある日突然別れた恋人由希子からの電話が掛かり、昔の記憶を追い始める。。。

印象的な雰囲気を醸し出す文章がけっこう素敵です。

手紙を読むことで一気に切なくなりますね。

・由希子の手紙の一文

もう川底には横たわらないでください。一人で強く生きて下さい。

〜省略〜

山崎君のフワフワとしたあやふやな優しさを私は心から愛していました。

さようなら。

川上由希子


これ胸に刺さります。。。切なすぎですね。。。


・可奈の手紙

傘の自由化は成功しましたか?


軽く驚きました。

嘘です。結構驚きました。面白い。


尻尾をなくした犬が自分の尻尾を追いかけてグルグル回る感じ。

記憶を追うってのはそんなことなんですね。

立ち向かうことは難しい。

でも、逃げることも難しい。

じゃあどうすればいいんでしょうね?


じっくり読んでいたらどんどん胸が苦しくなる切ないお話でした。

でもなんか好きですね、こんな感じ。

続編も読んでみよう。

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